「昭和築物件」に潜むリスクと売れない理由

 

皆さんは中古不動産を購入する際に、何を基準にして物件を選ぶでしょうか。
一般的には、「立地」「商品」「価格」の3つと言われています。

 

その中でも「立地」は「最寄駅・駅徒歩距離・住環境」、「商品」は「広さ・間取り・築年数」を基準に考える人が多いと思います。「価格」は「安ければ安いほど良い」と考える人がほとんどですよね。

 

今回はその中でも、中古物件を売買する時に重要なポイントになる「築年数」についてがテーマになります。
更に、一般的には売りにくいとされる「昭和築物件」に絞って、「なぜ昭和築物件が売りにくいのか」についてご説明致します。

 

買主の印象

まず大きな理由としては買主側の「印象」が挙げられます。

 

例えば中古物件を選ぶ時の条件として、「築10年以内が良い」や「駅徒歩5分以内が良い」などの条件をよく聞きます。しかし、実際に居住する時を考えると、築10年と築11年、駅徒歩5分と6分、これらに大きな差はありません。印象として何となく区切っているだけです。

 

昭和築物件もこれと同じで、「昭和」「平成」の言葉の印象が、買主にとっては大きいです。

 

「昭和64年建築」「平成元年建築」この2つを比べると、実際はほぼ変わらないのに印象は全然違いますよね。
中古物件を売買する時に、買主側の「印象」というのが、いかに大事かお分かり頂けると思います。

 

耐震基準

 

2つ目の理由に「耐震基準」が挙げられます。

 

建築基準法の改正により、昭和56年6月1日から新しい耐震基準が導入されました。
簡単に言うと「今までの建物は、地震に対する基準が少し甘かったのでもっと強化します。建物を建てる時は、基準が変わっているので気を付けてください」という内容です。

 

当然、いきなり建築基準法を改正されて、「古い耐震基準(旧耐震)で建てられた建物を、全て新しい耐震基準(新耐震)にするために、建物の強化、もしくは立て替える」。そんな事は出来ませんよね。2016年現在でも旧耐震の建物は数多く残っています。

 

つまり、先述した「昭和」「平成」という単純な言葉の印象だけではなく、昭和築物件は「現在の建築基準法に適さない建物の可能性がある」という事実も、昭和築物件が敬遠される理由の一つです。

 

法令の改定

2016年現在、旧耐震の居住用不動産を購入した時に気を付けるべきポイントは、「旧耐震物件(既存不適格物件)の増改築を行う場合には現行の法令を遵守してください」程度のものですが、先の東日本大震災を受けて法令が変わりつつあります。

 

例えば、学校などの不特定多数が集まる公共施設では「耐震診断を義務付け、必要に応じて改修」など、建物の耐震に対して強化する動きが出ています。
それがオフィスビルに波及しつつあり、将来的には居住用不動産にまで波及する可能性が少なくありません。

 

例えば旧耐震物件は「建て替えが必須」や「建物強化が必須」になるという事態もあり得ます。従って昭和築物件の中でも旧耐震の物件を購入するリスクは更に高まると言えるでしょう。

 

やはり、不動産を選ぶ上で大事な要素である「築年数」。
これは家族の「安全」に直結する問題です。
今はインターネットで何でも調べられる時代ですので、「昭和築物件」に潜む上記のようなリスクは、買主側も把握しているケースが多いでしょう。

 

つまり、「昭和築物件が売りにくい理由」は、単純に「築年数が古いのは嫌だ」という「印象」が一つ。そして、繰り返しになりますが「耐震基準」についての上記の「リスクを取りたくない」という方が多くいる。
この二つの理由が考えられます。

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